どうも、サーバーサイドエンジニアの @koji9412 です。
最近、色々と話題になっているTwitterですが、ランサーズでもTwitterからXへ表記を変更しても良いのではないかと話が上がりましたので、調査したことや検討したことを報告したいと思います。
同じような悩みを抱えている社内エンジニア、デザイナー、WEB担当者の方が少しでも参考になれば幸いです。
TwitterからXへ
Twitter社がX社に吸収合併されて、既にTwitter社が存在しないと世間に発表されたのは2023年月4月11日のことです。当時から「TwitterはXになってしまうのか」と話はあがっていましたがTwitter→Xについてイーロン・マスクが変更を言及したのは2023年7月23日のことです。
And soon we shall bid adieu to the twitter brand and, gradually, all the birds
— Elon Musk (@elonmusk) July 23, 2023
この頃からTwitterのロゴがXに変わったり、様々な変化があったと思います。
社内で表記変更の話が出た件について
7月23日のイーロン・マスクの発表により「X」が世の中とトレンドとなってました。
そんな中、7月31日に社内でもTwitter→Xに関する話があがりました。
このミーティングではTwitterからX切替に伴うサービス名・ロゴ・ドメイン変更対応について話し合いました。そのためXやイーロン・マスク、世の中の動向を伺いながら適宜スケジュールを決める必要がありました。
プロジェクトが開始された
このプロジェクトは2名のチームメンバーからスタートしました。
一見、「表記変更」だけの小さなプロジェクトに見えますが、TwitterからX (旧Twitter) への表記変更は結果的に文字の変更以上のものであり、チームを越えたディスカッションやアドバイスも必要としました。特に、シェアボタンについてはデザインチームのアドバイスも受け、変更の検討を更に深めることになりました。
これらの経験はとても良い経験になったのでプロジェクトの流れをざっくりシェアしたいと思います。
最初にしたこと
まず最初に調査したことは、ランサーズで「Twitter」の文言やアイコンなどはどのように使われているのかでした。調査結果、以下のことがわかりました。
- 文章中の文言
- シェアボタンのテキスト
- シェアボタンのロゴ
- ドメイン (twitter.com)
- 検索上のラベルやタグ
- ソースコード上のコメントアウト
- Readme.mdなどの社内用ドキュメントファイル
また「Twitter」だけではなく「ツイート」「リツイート」と言った言葉も「ポスト」「リポスト」に変更するかどうかも話し合う必要がありました。
このプロジェクトはメインで進めているプロジェクトの合間に日々、前進していきました。
リサーチの難しさと創意工夫
対応範囲の調査が終わったところで次は他社サービスについて調査しました。他のサービスがどのようにテキストやロゴなどを変更しているかは非常に参考になるからです。
しかし、まだTwitter→Xの発表からそこまで日も経っておらず、リサーチ対象の事例が少なく、WEBサービスに関してはほとんど変更を見つけることができませんでした。
8月上旬時点で変更が見つけられたWEBサービスは「Skeb」様くらいでした。
結局、原点に戻りランサーズ上のあるべきを探ることになりました。
表記の葛藤と公式の導き
手始めにチーム内でまずはテキストから変更しようという話があがりました。
「Twitter」を「X」にする際にあがった候補は以下の通りです。
- X
- X (Twitter)
- X (旧Twitter)
- エックス
- エックス (ツイッター)
- エックス (旧ツイッター)
最終的にX (旧Twitter) か、X (Twitter) か、どちらの表記にするかについて、社内メンバー間で議論が続きました。Google上での検索結果数を参考にしたり、海外サイトの表記を参考にしたり、様々なブログやWEBサービスをチェックしました。
変更に関する決断を下すのは簡単ではありませんでした。結局、Twitter公式がメール文章中に「X (旧Twitter)」を使っていることを発見し、それを使うことになりました。
公式情報の不足による苦戦
シェアボタンに関する変更は特に悩まされていました。
Twitter公式サイトがXに変更するためのリファレンスを更新していなかったため、どのような変更が適切かチームで最適な答えを出せずにいました。
そこで試しにカンプを作ってデザインチームに投げてみたりもしました。
Xのシェアボタン、やはり見慣れないだけはあって違和感を感じていましたが、デザインチームから以下のようなフィードバックをもらいました。
”違和感なくなるタイミングまで変えないほうがよいのでは、という話かなと思いました”
確かにと思い、シェアボタンの変更は一旦保留することにしました。同様に「ポスト」や「リポスト」についてもまだユーザーが慣れていない言葉だろうと判断し、変更は一旦保留にしました。
マーケティングチームへの相談
弊社はSEOに関することはマーケティングチームがオーナーになって運用しているため、ライティングについて問題ないか確認するためにミーティングを実施しコンセンサスを取ったりしました。
特に表記変更について問題はなく、とんとん拍子で話が進みました。
週次報告
プロジェクトを推進するにあたり、進捗は週次で共有していました。
プルリクエスト作成
テキストの変更などは難しい変更ではないため作業はすぐ終わるものでした。
現在のプロジェクトの進捗
テキストの変更は徐々に進んでいますが、保留していることもまだまだ多いです。
シェアボタン
X用のシェアボタンに関する公式情報がないため、保留にしています。
OGP (Twitterカード)
同様に公式情報の更新がないため、保留にしています。
ドメインの変更
「x.com」に変更しても良かったのですが、現時点では「x.com」から「twitter.com」にリダイレクトしている状態のため、「x.com」がメインのドメインになったら変更しようという話になったため、保留にしています。「x.com」にリダイレクトの不具合など発生した際、ただのリスクになるからです。
Xロゴ
公式のブランドガイドラインが未だTwitterなのでこれらも更新があり次第、変更対応をしたいと思うので保留にしています。
数値変化やモニタリングについて
「Twitter」から「X (旧Twitter)」へテキストが変わることによる各数値変化やユーザーアクションの変化などのモニタリングは必要かについても議論がありました。
結果からいうとテキストの変更やシェアボタンの変更による影響はそこまでないと判断し、数字のモニタリングは行わないことにしました。
ただし、シェアボタンの利用率が高いWEBサービスなどであればモニタリングしたほうが良いかと思います。
ちなみに弊社ではGA4 → BigQuery → Redash でデータを取ることができます。そのため数値モニタリング自体は簡単に行うことができます。
このように変わりました
変更は些細なものかもしれませんが、こんな感じで変わりました。
以下の例はパッケージの絞り込み検索です。
変更前
変更後
実装後に改めて感じたのは、変更は大きいなものではないものの、ユーザーがテキストを見て感じる体験の違いは大きいなと感じました。
今後はユーザーの声や様々なフィードバックをもとに、より良い変更を重ね続けていけたらと思います。
最後に
余談ではありますが「なぜサーバーサイドエンジニアがTwitter→Xの表記変更のプロジェクトを前進しているのか」と疑問に感じた人もいるかと思います。
弊社ではチームを超えてプロジェクトを進める文化などもあるので(もちろん部署や上司には相談はあったりもしますが)、適宜状況に応じて新しい挑戦もしていけます。
最後になりますが、Twitter→Xの表記変更に関する情報はまだなかなか存在せず、各担当者様は苦労しているかと思います。少しでも変更に関して当記事が参考になれば幸いです。