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ランサーズによるグループ化から1年。組織の目線で振り返るMENTAの変化

入江慎吾|2021年11月24日
エンジニア組織

こんにちはMENTA代表の入江です。MENTAがランサーズの子会社となってから1年が経ちました。私自身の個人開発から始まったMENTAは、上場会社であるランサーズとの統合を経て、1→10のフェーズを突き進んでいます。

今回は、学生インターンの頃からMENTAのサービス作りに関わってくれている池田も交え、上場企業に統合されたスタートアップが1年間でどう変わっていったのかをお話していきたいと思います。

<プロフィール>

入江 慎吾(@iritec_jp)
1982年生まれ長崎県五島列島出身。福岡のWEB制作会社に10年間勤務。その後フリーランスとして独立し、スマホアプリやWEBシステムの受託開発を行い法人化。複数会社の開発支援などを経たのちに、2018年、スキルシェアサービスMENTAをローンチ。これまでに個人開発で30個ほどのサービスやアプリ開発を行う。

池田 直人(@naoching7010)
1998年生まれ。静岡県出身。大学の授業でプログラミングに出会い、その面白さに惹かれエンジニアになることを決意する。独学でWebシステムのLaravel開発スキルを学び、大学4年の秋にランサーズへエンジニアインターンとしてジョインし、MENTAの開発に関わる。
2021年4月に新卒としてランサーズに正式入社、MENTA事業部初の正社員としていまもMENTAの開発を続けている。 また、エンジニアとして働く傍ら、カスタマーサポートなどの業務も行なっている。

グループ化から1年、MENTAの現在地

入江:MENTAは2018年にサービスを開始、昨年2020年の10月に買収によってランサーズのグループ会社となりました。グループ入りという選択をした1番の理由はこのサービスを成長させ、より多くの方に利用してもらいたいと思ったからです。
私はこれまで、イリテク株式会社で30以上ものサービスを開発してきました。受託で請け負ってきたものもあれば、M&Aで億単位の売却を行ったものもあります。そんな中で「自分のサービスで生きていきたい」と思い開発したのがMENTAでした。

MENTAは自分自身がプログラミングの勉強を先輩に教えてもらった経験から生まれたサービスでしたが、その経験通り、プログラミングを学びたいという人々からの反響が大きくありました。その声を聞き、より多くの方にこのサービスを知ってもらいたいと考えるようになりました。

マーケティングの知見を得るため統合を決意

入江:MENTAは個人で立ち上げたサービスであったため、サービス成長に伴い段々とリソースが足りなくなっていきました。業務委託の方々と協力して開発を続けていたのですが、キャパオーバーと感じることも増えてきました。

私はこれまで0→1でサービスを開発することは何度も行ってきたのですが、カスタマーサポートであったりマーケティングという知見がありませんでした。
このまま個人レベルでこのサービスを広めていくには限界があると考えた時に、グループ化という選択肢を検討するようになりました。

ランサーズへのグループ化の決め手は自由度の高さと事業の相性

入江:グループ化に当たって何社かお話をさせていただいたのですが、私が望んでいたのは買収後もMENTAの開発に携わり続けることでした。そのため、MENTAのようなサービスを展開した経験がない会社や業種が全く異なる会社だと、グループ化した後も幸せになれないと考えていました。買収するにしても私の働き方や考え方などの想いを理解してくれることを重視していました。

その中でランサーズと出会いました。代表の秋好さんから話を聞いた時に、“MENTAで学んで、学んだ人がランサーズで働く”という流れがすごく自然だと感動したのをおぼえています。ランサーズとならMENTAをさらに成長させられると感じ、M&Aの道を選びました。

ランサーズの一員となって変わったこと、変わらないこと

入江:MENTAはランサーズの子会社となりましたが、働き方はこれまでと変わらず自由にさせてもらっています。大きく変わったことは、数値目標を決める必要があることです。これまでは個人でやっていたので、常に数値目標を掲げるということはしてきませんでした。

しかし、上場企業の一員となったことで、株主に数値や予測を提示しなければいけません。これまでは良いものを作ればいずれ結果がついてくるだろうという気持ちが大きかったのですが、目標を決めることでより結果を目指して行動ができるようになりました。

池田:私は2020年の11月からMENTAに新卒インターン生として入社し、2021年4月に社員になってからもMENTAのメンバーとして働いています。その頃から静岡でリモートで働いていたため、社員になった後も働き方に大きな変化はありませんが、ランサーズの方との会議に参加してコミュニケーションを取る機会などが増えました。

特にインフラ周りのことはMENTAの社員ではなくランサーズのSREの方に見てもらっているので定期的なフィードバックを受けたり、アドバイスをもらうこともあります。他にもMENTAの開発についての悩みをSlack上で相談すると、ランサーズのエンジニアがアドバイスをくれるので助かります。私の中ではMENTAは子会社として独立してはいますが、ランサーズの中の1つの部署だという感覚で皆さんとお仕事をしていますね。

個人からチームへと変化していったエンジニアの組織体制

入江:ランサーズの子会社になり、働き方に大きな変化はなかったものの、組織体制でいうとこの1年で大きく拡大しました。サービスに携わる人が増えた分、出せるリリースなどのアウトプットの数が圧倒的に増えました。もう1つは、人が増えたことに派生しますが、私が開発をしなくなりました。これまでは私が企画を作り、業務委託のメンバーに依頼しリリースするまでを行っていたのですが、その部分を社内のメンバーに任せられるようになりました。

池田:私はランサーズの新卒インターン生として統合したばかりのMENTAにジョインし、新卒入社した後もずっとサービス開発に携わらせていただいています。当初は業務委託メンバーのみだったMENTAも現在は10人の社員でサービスを動かすようになりました。専任で事業を回すメンバーが増えたことで、よりチャレンジできる機会が多くなったと感じています。

▲1年前までは入江個人のチームだったのが、今では10人に拡大

技術スタックについて変わったこと

池田:技術スタックについても変化がありました。1番大きいのはインフラ周りの運用です。これまではさくらのクラウド1台で運用していたのですが、AWSに移行し、ECS/Fargateで運用するようになりました。また、リリースの仕組みが変わりました。以前は修正や機能を1つずつリリースして確認、という作業を繰り返していて工数がかかってしまっていたのですが、ランサーズのSREの方々からの助言を受けリリース方法をCircleCIのみに変更し、効率化推進することができました。

他にも、ランサーズのエンジニアの方の技術をお借りして改善できたことがあります。インターン生だった頃、MENTAのサイトの表示や読み込みが遅いという課題がありました。原因を調べて欲しいとお願いされ調べたところ、画像が重いことが原因で読み込みが遅くなってしまっていることがわかりました。そのことをランサーズエンジニアの方に相談したところ、画像の表示を軽くする設定を加えてくれ、スピードテストを実施したら表示速度が劇的に早くなりました。
大規模なプラットフォームを運営し、高い技術力を持ったランサーズの力をお借りできるのはとてもありがたいです。


▲ランサーズ/SRE(@adachin0817)によるMENTAのAWS移行に関する記事

統合したことで得られるメリット

入江:ランサーズと統合をして得られたメリットの1つに大人な意見をもらえるようになったというのがあります(笑)。私はプロダクト作りが大好きなのでわりと無邪気に突っ走ってしまうのですが、そんな私に対してこんな問題があるとか、客観的な指摘をもらえるので多くの気づきを得られています。いろんな意見をいただける分大きな失敗をしにくくなっているのは、会社を経営していく上で大きなメリットです。

もう1つが
中長期を見通した計画など、これまで私がやってこなかった分野を学べているので、仕事をとても楽しめています。会社としてもいち経営者としても成長の機会を得られているのは、ランサーズと統合しないとあり得なかったことですね。

上場企業と一緒になることは、スタートアップらしさはそのままに挑戦の幅を広げられるということ

入江:上場企業と一緒になると、さまざまな面で制約が増えスタートアップらしさを出せなくなってしまう。そう考える方も多いと思います。しかし、MENTAの場合はそうではありませんでした。それは一緒になった上場企業がランサーズだったらからだと思います。
ランサーズの方からは「MENTAは縛られずにスタートアップらしくやってほしい」という言葉をいただきました。その言葉には、グループ化しても決まり事や枠組みにとらわれずにいて欲しいという思いがあるように感じています。

上場したランサーズのペースに合わせてしまうとどうしてもスピード感やチャレンジで差が出てしまいます。個人開発していた時のように伸びると思ったことはとにかく試す勢いで開拓する。それくらいの気持ちでとにかくチャレンジしていますし、ランサーズからも期待されているところだと思います。この点は本当にありがたいと感じています。

池田:MENTAはみんながボトムアップで意見を言いやすいと感じています。最終的には入江さんに判断を仰ぐこともあるのですが、1人1人の意見をしっかりと聞いてくれるのでとても働きやすいです。他にも仕事の枠にとらわれないのもスタートアップらしさだと感じています。私のメイン職種はエンジニアですが問い合わせの対応などのカスタマーサポートも兼任しています。職種以外の領域でも手を上げればやらせてもらえる柔軟さは、上場企業では得られない経験なのではないかと思っています。

上場企業の経験とリソースを得てよりチャレンジができるように

入江:ランサーズと統合したことで予算や人材という力を借りられるようになり、これまで以上に広告宣伝などの打ち出しができるようになったり、様々な企画を実行できるようになったりとよりチャレンジができるようになりました。同時に、していただいた投資に見合った成果を出さなければいけないというプレッシャーを感じています。逆にプレッシャーを感じるからこそ、成果を出すため日々考え続けられています。

池田:成果に向けてどんどんやり方を変えていけるのがMENTAの凄さだと思っています。会議で朝話していた内容が夕方には変わっているということも、よくあることです。目指すところは同じでも、アプローチ方法は次々とジャブ打ちしてよかったものを残していく。そのスピード感はランサーズではなくMENTAだからこそできるチャレンジだと思っています。

MENTAの利用者を増やし、スキルをつけたい人が挫折しない環境を作る

入江:直近の目標はとにかくMENTAというサービスを知ってもらい、利用者を増やすことです。プログラミングを学んでいる人は年間で約40万人いる中で、挫折率が90%といわれています。そしてMENTAを利用している方は3万人。もっと多くの人にMENTAを知っていただければ、挫折せずにプログラミングスキルを身につけられる人が増えると信じています。

今MENTAの1番の課題は”知られていない”ということが大きいと思うので、まずはユーザ数を伸ばし、こんなサービスがあるんだということを全国の方々に知っていただく。そのための施策をランサーズの力も借りながらチーム全員で取り組んでいきたいと思っています。