UXリサーチはじめました

uno.hiroyuki|2023年08月22日
UXリサーチ

こんにちはCTO室デザイングループでUXリサーチを担当している宇野です。
UXリサーチの実践とUXリサーチ文化の醸成をミッションに活動しています。

UXリサーチはじめました

「冷やし中華はじめました」のようなノリに聞こえますが、期間限定的な取り組みではなく、ランサーズで本格的にUXリサーチをはじめました。

これまでユーザーインタビューやアンケートなど各部門で時々実施されていましたが、専任のUXリサーチャーによる体系的なUXリサーチという意味では、実はランサーズでは初の試みとなります。

4月に開始して、すでに3つのプロジェクトのUXリサーチを実施していますが、今回の記事では、最初のプロジェクトについて、①UXリサーチをどこから始めたか、②どんな取り組みを行って、③どのように開発に繋げたか、そしてまとめとして④一連の活動を通して個人的にどんなことを学んだか、について書いていきたいと思います。

どこからはじめたか

組織として「UXリサーチをやっていこう」となったのはよいのですがどこからはじめるべきか、悩みました。

本来であれば、最上流、つまりコンセプトを作る手前からUXリサーチに取り組むのが理想的でした。私の所属する部門が関係するいくつかのプロジェクトがありましたが、それらはすでにキックオフされており、プロジェクトによってはコンセプトの大枠がある程度固まっていたり、実装する機能の検討が進んでいたりしました。

結局、その中で一番先行しているプロジェクトのコンセプトテストから取り組むことにしました。その理由としては、ターゲットユーザーにコンセプトを評価してもらい、プロジェクトの方向性が間違っていないかの確認とそのコンセプトのブラッシュアップを行うことでUXリサーチの成果をすぐに出せると考えたからです。

プロジェクトのフェーズとUXリサーチ

プロジェクトのフェーズごとのUXリサーチ

どんな取り組みを行ったか

コンセプトテストは機能のターゲットとなるユーザーを対象にインタビュー形式で実施しました。前半ではユーザーが現在どんな使い方をしていてどんなことに困っているかなどをヒヤリングし、後半では検討している機能をストーリー仕立てで説明したコンセプトボードとプロトタイプによる操作フローのデモを行い、ユーザーから意見をもらいました。

コンセプトボード

コンセプトボード

プロトタイプイメージ

Figmaで作成したプロトタイプ

ユーザーインタビューはすべてオンラインで実施しましたが、基本的にプロジェクトメンバー全員に少なくとも1セッションは同席してもらうようにし、同席できないセッションについては録画を見てもらうようにしました。うまく説明できないのですが、「ユーザーがこう言っていた」とか「こういうところでつまづいていた」と第三者から言葉で伝えられるのと、実際に見聞きするのでは受け取り方に大きな違いがあると思っています。もしかしたらメラビアンの法則(人と人とのコミュニケーションにおいて、言語情報が7%、聴覚情報が38%、視覚情報が55%のウェイトで影響を与えるという心理学上の法則の1つ)と関係しているのかもしれませんが、とにかく「百聞は一見にしかず」と思っています。

インタビューの様子

GoogleMeetで実施したインタビューの様子(左は画面共有したコンセプトボード、右は参加者)

そして、インタビュー結果の整理や分析はワークショップ形式で行いました。事前にインタビューでの学びや気づきを各メンバーに書き出してもらい、それをKJ法で整理・分析をしていくというプロセスで進めました。リサーチャーが一人で行う場合と比べ、プロジェクトメンバー全員のユーザー理解がより深められることと、あらゆる視点での気づきが得られたり分析が行えたりしたのが良かったと思います。そして何より、UXリサーチってこんな感じでやるんだ、というのを広めることもできたと思います。

FigJamボード

インタビュー結果の整理・分析・課題解決アイデアブレインストーミングに用いたFigJamのボード

どのように開発に繋げたか

プロダクトマネージャーとともにUXリサーチを進めているので、基本的にはUXリサーチを通じて学んだことをプロダクトに活かすのはプロダクトマネージャーの仕事にはなるのですが、いかにして活かしやすいアウトプットを出すかがキーとなります。

今回はワークショップの後半で、課題の特定と優先順位付け、そして課題に対する解決アイデアのブレーンストーミングを行いました。解決アイデアはリスト化され、実現性や開発インパクトなどを考慮して、プロジェクトのフェーズに合わせて取り込んでもらいました。

個人的に学んだこと

自社サービスのリアルな使われ方を知ることができた

月並みではありますが、自社サービスを実際に利用したことがない自分にとっては、ユーザーの声を聞くことで利用イメージや課題がかなり鮮明にイメージできるようになり、ユーザー像の解像度が一段と上がったように思います。

プロジェクトメンバーのモチベーションを上げられることがわかった

これは考えてみれば当たり前ですが、ここまでのことは正直想定していませんでした。しかし、インタビューを通してユーザーから「ランサーズのこの機能が素晴らしい」「だけどこの部分が非常に残念だ」という忌憚ない生の声を聞くことで、プロジェクトメンバーからは「モチベーションが上がった」という声が上がり、開発のヒントを得るのと同じくらい価値のあるものを得たと感じました。

ワークショップの進め方はもう一工夫必要

一方で課題も多くありました。ワークショップをオンラインで開催したのですが、思ったようにコミュニケーションが取れず共同作業で相乗効果が出せなかったり、想定より作業に時間がかかったりとワークショップの進め方については改善したいところだらけでした。特にタイムマネジメントの点で言うと、インタビュー結果の整理・分析に2時間、課題の特定・解決アイデア検討に2時間という形で、2時間のセッションを2日間実施したのですが、ワークの内容に対して圧倒的に時間が足りませんでした。

正解は分かりませんが、ワークショップをオンラインで実施するのであれば、少なくとも課題整理については、まずは、PdMとデザイナーなど、UXデザインの中心となるメンバーのみでこぢんまりとやるのが良いと思いました。

それでも、UXリサーチの文化を根付かせたいという思いから、結果の整理や分析にもプロジェクトメンバー全員を巻き込み、参加メンバーからは学びが多かったという声をもらうことができ、個人的にはとても良かったと思っています。参加してくれたメンバーや準備に尽力してくれたPdMやデザイナーにも感謝です。

さいごに

まだまだUXリサーチははじまったばかりです。やりかたについても改善点が多くあります。そして、プロジェクトの進行に合わせて、様々なUXリサーチが必要になります。

今後もUXリサーチ活動を通じてたくさんのことを学んでいければと思っています。

そして何よりその成果としてランサーズのUXが向上することを目指したいです。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。