ランサーズのtsuyoshiです。
今回も社内コミュニケーションを活性化させ、プロダクトをよりよくするような【ネタ】です。
サービスやプロダクト開発のPDCAにおいて、日々カイゼン要望を吸収し、高速なPDCAを回すことが必要不可欠です。
ですが、よくよく考えるとカイゼン案件自体が現在アサインされているプロジェクトのアドオン(150% workしましょうと???)だったりと
カイゼンしたくてもできない夜を過ごしているかと思います。
今回はそんな半ばやけくそ気味の状況を打開し、より高速にPDCAを回すためにランサーズで実践したプロダクト開発の手法についてです。
目次
- す背景と目的:カイゼンプロジェクトの始動
- しカイゼンのためのPDCAサイクル
- がPDCAを回してみて変わったこと
- たカイゼンプロジェクトの課題
- べもっと高速に回すためのPD鮨Aサイクル
- たダーツで白熱するカイゼン競争
- いまとめ
背景と目的:カイゼンプロジェクトの始動
「最高のユーザ満足の創造」
これは、ランサーズの行動指針の一つで、日頃から使っていただいているユーザさんからの要望や意見を吸収し、プロダクトに反映していくことです。
とはいえども、実際の現場では、プロダクトに反映しようとしても都度対応になってしまったり、明確な案件として切られておらずと言った状態で・・・
特に、「大きな機能開発でやるからいいっか」という社内の某プロデューサーにあるように、次の施策でマージするケースは多々ありますが、お客さんはそれを待ってる間に「うーん、使いづらい・・・」と思っていたりもします。
そこで始まったPDCAを日々回していくサイクルが「カイゼンプロジェクト」でした。
カイゼンのためのPDCAサイクル
Plan(起案・案件整理)
ユーザさまからのお問い合わせや、社内要望を案件化し、いつでも着手できるように準備しておく。
DO(実行)
整理された案件を元に、エンジニアが空いた時間で着手し、カイゼンをリリースする。
Check(計測、結果報告)
施策による効果や、結果を報告
Action(さらなるカイゼン)
計測結果などをもとに、より良いカイゼンへと昇華させる
*世間一般で言われているPDCAとは少し異なりますが、図のようなフローでプロダクトをカイゼンしていくと捉えていただければ幸いです。
具体的に、それぞれのフェーズについて説明します。
Plan(起案・案件整理)
お問い合わせなどでよく上がってくる案件や、気づいた点、社内要望などを全部まとめてGoogle Spread Sheetに記載し1箇所に集約します。
お問い合わせの案件については、カスタマーコミュニケーション部門のメンバーに取りまとめてもらっています。
集約された案件は、細かい要件を詰めたり、確認を行って、「すぐに着手できそう」な状態にしてからwrikeというタスク管理ツールに登録します。
wrikeについてはこちら
(アフィリリンクじゃないよ!!安心して!!本当だよ!!)
整理された案件に「募集中」というワークフロータグをつけることで、着手可能な案件が一目でわかるので便利です。
誰でも気づいた人が着手できる状態を作っておくことで、空いた時間にすぐに取りかかることが可能です。
Do
「募集中」タグのついた案件を、エンジニアの手が空いた時間に見つけて実施します。githubのプルリクエストにはカイゼン用のラベルをつけます。
Check
社内で利用しているChatWork上にリリース情報や、その後の結果のデータを共有します。
Action
得られたデータを元に、さらなるカイゼンを行っていきます。
実際に行われているカイゼン事項の例:
- わかりにくい文言の修正や、ガイドの追加
- ボタンの大きさや表示位置の変更
- インフラ周りの細かいパフォーマンスチューニング
- 新しい技術やアーキテクチャの導入(socket.io-emmiter、Carbon、React、Flux)
などなど、大きいものから、小さいものまで、幅広くやっております。
とくに、新しい技術などは積極的に取り入れることで、エンジニアのモチベーションと共に、カイゼンが行われております。
PDCAを回してみて変わったこと
・プロダクトが徐々にカイゼンされるようになった。(きた・・・)
5月初旬から始めて、8月までの3ヶ月で100個の案件をカイゼンしました。
フローができたことによって、案件やアイデアが上がりやすくもなりました。
・社内の雰囲気が変わった
Q:カイゼンプロジェクトによって変わったことはありますか?
カイゼンプロジェクトの課題
ここまでのやり方で、ある程度のフローの基盤はできました。
しかしながら、結局は一部のエンジニアしかカイゼンに貢献できていません。
エンジニアメンバー全員、カイゼンしたいという思いはあるもののけど、通常業務が忙しかったり、これでも動機づけが弱かったりして、なかなか全員とはいきません。
もっとキッカケやインセンティブがあれば、カイゼンに参加するのでは?
・・・・
そうだ!鮨にいこう!
「鮨」なら彼らも動くのでは。(ふふ・・・)
そうだ名前は、新発明「PD鮨A」だ・・
P → D → 鮨 → A
開発・改善することにより、鮨が手に入り、超高速でPDCAが回るという素敵な考え方です。
さっそく弊社CTOに、このアイデアで鮨をおごってもらうところ打診してみました。
tsuyoshi
「boss聞いてください。鮨をinsentiveにすれば、みんなもっとがんばると思うんですっ!」
CTO
「う〜ん。。。それでPDCAが本当に回るなら、いいですよ!」
(さすがCTO、(C)しーすー (T)たくさん(O)おごりたい。の略は、だてじゃなかった!)
鮨をおごってもらう約束を取り付けPD鮨Aを実践してみました。
結果!
どーーん。
上がりまくるカイゼンラベル付きのプルリク。
1日1個だった対応件数が1日2個にアップ!!(本当に忙しかったのかい?イママデ)
おそるべきPD鮨A効果!!
CTO
「すごいね!でも普通におごっても面白くないよね、ダーツで当たれば高級鮨おごります」
tsuyoshi
「what’s mean?」
私の頭の中
<?php switch ($kaizen) { case "ちょっと頑張った": return 回転寿し; case "まぁまぁ頑張った"; return ギリ回らないすし; case "めっちゃ頑張った"; return 憧れの萬円鮨; } ?>
確かに普通にもらうだけでは面白くありません。どうせおごってもらうなら高級鮨が食べたい!
というわけで、鮨をめぐるダーツプロジェクトが開催されることとなりました。
ダーツで白熱するカイゼン競争
ルール:
対応案件をポイントに変換。
1案件3pt (ただし、効果が高いものはポイントアップ)
起案した人にも1pt(実施された時点で付与)
プルリクエストをレビューすると1pt
スペシャル改善は、法外なptが。(社外秘)
2週間の間で、合計25pt集めた人が、ダーツと交換!
※他にも細かいルールなどがあります。
最終結果
1位 111pt y−satoshiさん
2位 27pt seijiさん
3位 26pt ryoichiさん
今回は特別に対応件数が過去の対応件数が多い人もダーツを付与しました。
これが、プロダクト開発部の部長。
ダーツの的の大きさを決めてます。
赤い鮨のあたりがめちゃくちゃ小さく塗られてます(涙)
ちなみにダーツの的は発泡スチロールで、後ろはサーキュレーターです。(かなり高速回転します)
頑張ったKazukiさん、結果はどうなるでしょうか?
wkwk
超高速で回転する的に当たった!!
結果は?!?!
ジーザス。
ハズレは、「あめ玉1つ」です。(涙)
外れた人には「すしアメ」が配られました。(涙)
次こそは絶対高級鮨をゲットしたいと思います。
(意外とすしアメも嬉しい?)
この辺りの盛り上がりは、人事ブログでも紹介されています。(ランサーズ人事ブログ)
今後は月1回の恒例行事として、実施していくことが社内でも承認されました。
PD鮨Aの取り組みはまだまだこれからも続きます。
アソビュー、フューチャーアーキテクト、ランサーズ3社合同勉強会でも、対外的に「PD鮨A」について発表させていただきました。@ランサーズ渋谷会議室
まとめ
最後に、このPDCAを回すにあたって苦労したことや意識したことです。
・とにかくやる。
まずはやらないと始まらない。スモールスタートが大事。
・やり続ける。
続かないと誰もついてきてくれない。カイゼンプロジェクトのPDCAをまず回す。
・誰でも案件をあげれるようなフランクな雰囲気を作る。
意見を言うことも、意外とパワーが必要です。敷居を下げるには日頃から声をかける。
・案件を「あとはやるだけ」の状態にしておく
できるだけ具体的に、案件やアイデアを上げてもらえるように、フォーマットを整える
・やった結果を残して、見えるようにしておく
結果を可視化することで、やっていることが全社に伝わり、自然と応援してくれる。
・周りに声をかけて、とにかく盛り上げる
チャットワークで専用の部屋を作り、定期的にみんなの進捗を共有。
始めたばかりの頃は、まさかこんな風に部署や会社を巻き込んで、鮨のためにダーツまでするとは思いませんでした。3ヶ月で100個もカイゼンできたのは、みんなが頑張ったおかげですね(鮨のために)。「べっ、べつにカイゼンしたいわけじゃなくて、鮨を食べたいだけなんだからね!(プルリク上げながら)」(エンジニアってなんでみんなツンデレなんでしょう?)
今後はこのフローを基盤に「最高のユーザ満足の創造」を本質的に実現し、よりよいサービスにしていければと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。
PD鮨A、ぜひお試しあれ!