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Lancers Agencyのインボイス対応に向けて開発チームは何をしたか

wakabayashi.ayako|2023年10月02日
開発よもやま

ランサーズのエンジニアの若林です
Lancers Agencyの業務システム開発を担当しています。

ついに施行開始されたインボイス制度ですが、開発チームがやってきた取り組みについて振り返ってみます。

プロジェクトの発足は2022年の6月、制度施行から1年以上前のことでした

取り組み

インボイス対応と一言でいっても運用フローの見直しなど業務観点の改善もありますが、
今回はシステムの対応に絞って記載します。

対応が必要なこと

  • ユーザーさん、クライアントさんのインボイス番号が登録できるようにする
  • 登録いただいたインボイス番号をチェックできるようにする
  • 各種帳票をインボイスに沿ったフォーマットに修正する
  • インボイス番号の有効状態をチェックする
  • 税込税抜表記を統一する

2023年10月の制度開始に向けて適切なタイミングでリリースできるように順次準備を進めていきます。
例えば、帳票のフォーマット修正については登録番号が表示されるのが2022年12月からなど
早すぎてもユーザーさんに混乱を与えてしまう可能性があるので、制度施行開始の日に合わせて
2023年9月の最終日にリリースを行いました。

事業部とのすり合わせ

それぞれの修正項目について各事業部担当者と認識合わせをしていきます

  • 各機能のリリースタイミング
  • フォーマットを変える帳票の種類
  • 修正したフォーマットの内容
  • 失効した番号をどのように扱うか

などなどと
実際にユーザーさん、クライアントさんの目に触れることも多い部分なので
コミュニケーション方法を含めて最適な形を探っていきます

インボイス番号の有効状態をチェック

システムでやっていることの一例として有効状態チェックの処理をご紹介

何のための機能?

インボイス番号(適格請求書発行事業者登録番号)はユーザーさんのマイページから登録できるようになっています
一度登録いただいたインボイス番号はユーザーさんからの申し出がない限り変更の状態が検知できません
そのため、定期的に登録いただいたインボイス番号が失効していないかのチェックが必要

機能概要

  1. 登録されているインボイス番号をリスト化
  2. 1件ずつ番号の状態を確認する
  3. 失効されている場合はSlackで通知する

上記を定期的に実行

番号の状態チェック

番号の状態チェックは国税庁から提供されているAPIに問い合わせをします。

失効状態のチェック方法はこちらを参考に設計

データ項目「取消年月日」又は「失効年月日」のデータ値に日付が入っていなければ、該当の取引日時点において適格請求書発行事業者に該当することになります。
一方、「取消年月日」又は「失効年月日」のデータ値に日付が入っていれば、該当の取引日時点において適格請求書発行事業者に該当しないことになります。

  • 「取消年月日」に日付が入っている
  • 「失効年月日」に日付が入っている

どちらかに当てはまれば失効していると判定

今後、Web-APIで取得する情報に「削除」を表示する予定はありません。
 「削除(99)」となる事業者の「削除(99)」に係る更新年月日を取得する方法については、差分データのダウンロードファイルをご参照いただく必要があります。

FAQの通りAPIでは削除されたデータを取得することができないので、
結果が返ってこない場合も有効でないと判断するしかない。

上記を踏まえ以下の場合は失効とみなして通知をするように設計

  • 「取消年月日」に日付が入っている
  • 「失効年月日」に日付が入っている
  • データが返ってこない

一度登録されたインボイス番号を対象にチェックする処理だったので、
削除されたデータが返ってこないのは着手時に想定できていなかったので若干落とし穴でした
公式の案内をよく読みましょうということですね

最後に

システム的には一部インボイス対応前と対応後で帳票の出し訳をする制御で
日付をチェックする箇所ができてしまったのは心残りではあります・・

システムが本格的に利用されるのは請求書発行業務が始まる10月末からですが、
問題なく運用できるように見守っていきたいと思います!

最後までお読みいただきありがとうございました 👏