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100人以上のエンジニア組織 「Large Div.」において生産性が高い組織としてFindy Team+ Award 2022 を受賞しました

terukura|2022年11月06日
イベント/登壇

Lancers Engineer Blog をご覧のみなさんこんにちは。ランサーズVPoE / プロダクト開発部 部長の倉林 @terukuraです。

先日、ファインディ株式会社が生産性が高いエンジニア組織を表彰する「Findy Team+ Award 2022」 を受賞しましたので、受賞内容、現状のエンジニア組織及び組織での取り組みについて紹介いたします。

 

受賞内容について

Findy Team+ は、エンジニア組織のパフォーマンス向上を支援するサービスです。GitHubやJiraなどを解析し、エンジニア組織のパフォーマンスを可視化することで、生産性向上をサポートしています。「Findy Team+ Award 2022」では、組織規模別※1に3つのカテゴリ毎に 10社の合計30社を選出した「組織規模別部門」と、生産性指標※2が大きく向上した5社を選出した「グロース部門」の受賞企業を発表いたしました。

※1計測対象期間中(2022年1月1日〜6月30日)にFindy Team+へ連携されたデータを基に、アクティビティが計測された人数で定義
※2 Findy Team+で計測されている開発ボリューム、開発効率に寄与する各スタッツの数値を基に指標化

ランサーズのエンジニア組織は【 Large Div. 】(対象:エンジニア組織が100人以上の企業)
として選出いただきました。
ランサーズのエンジニア組織は社員が60名弱の組織ですが、たくさんのフリーランスの方々に連携頂いています。今回正社員×フリーランスの混合チームとして選出いただいた点が非常に嬉しく・光栄に感じています。


https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000046.000045379.html

 

ランサーズのエンジニア組織及び生産性への取り組み

2008年12月に創業者2名で開始したサービス、2022年現在ではプロダクト開発メンバー(PdM、デザイナー、エンジニア)が60名弱の大きな組織になりました。(ビジネス職を含めると200名を超えました)

これまでの組織変化は以前のblog記事でも振り返りをさせて頂いています。

ランサーズのエンジニア組織のこれまでとこれから。エンジニア組織における10人、30人、50人の壁。

ランサーズのエンジニア組織の特徴として、フリーランスの方々と連携した柔軟な組織づくりがあります。流動性の高いエンジニア組織のチャレンジについては今後も発信していければと考えています。これまでの取り組みはnoteや、デブサミでの登壇でも共有させていただきました。

note:Lancers New Normal 〜流動性の高い開発組織へのチャレンジ〜

 

直近では採用強化・フリーランスとの柔軟な組織作りを継続しつつ、一人ひとりの成長にしっかりと向き合うこと、そしてしっかりと生産性高く開発にfocusできることを中心に向き合いたいと考えています。

デリバリーのパフォーマンスを定量指標として計測していくには、Four Keysを計測し改善するのが業界標準となりつつあると感じています。

Four Keysとは、GoogleのDevOps Research and Assessmentチームが6年間の研究の結果割り出した、ソフトウェア開発チームのパフォーマンスを示す4つの指標

・デプロイの頻度 – 組織による正常な本番環境へのリリースの頻度
・変更のリードタイム – commit から本番環境稼働までの所要時間
・変更障害率 – デプロイが原因で本番環境で障害が発生する割合(%)
・サービス復元時間 – 組織が本番環境での障害から回復するのにかかる時間

高パフォーマンス組織はすべての指標が高い=極論どれか一つだけを定点観測すれば十分ではという観点で、ランサーズが組織としてまず向き合うのはデプロイ頻度(masterマージ数)とし、各自の目標設定に盛り込むなどActionが具体的に進み始めています。

また明確に生産性にフルコミットしてくチームの必要性を検討し、Productivityチームを発足しました。
Productivityチームが生産性を上げる行動をすることが重要ではなく、各チームが自立して改善していける組織の実現をミッションに取り組んでいます。

Productivityチーム発足のお知らせ

最後に

まだまだ道半ばですが、フリーランスの方々と連携した組織づくりや、生産性にfocusした取り組みが、こういった形で評価いただけるのは非常にありがたいです。

エンジニア採用、フリーランスと連携した組織づくり、生産性の高いエンジニア組織について興味のある方は是非カジュアルに会話させていただければと思っています!

meetyはこちら

また様々な挑戦ができるランサーズのエンジニア組織に興味のある方は以下の採用サイトを是非ご覧ください!

ランサーズエンジニア採用サイト

 

The PHP Foundationに寄付をしました

terukura|2021年12月17日
PHP

こんにちは、ランサーズVPoE / 開発部 部長の倉林 @terukuraです。ランサーズは先日設立された「The PHP Foundation」に寄付を行いました。ランサーズはサービスローンチ時より、PHPにより大きな恩恵を受けています。今後の継続的な発展に向けて、来年以降も継続的に寄付を実施できるよう検討していけるとよいかと考えています。

The PHP Foundationについて

The PHP Foundation は PHP の長期的な存続を目的とした非営利の団体です。PHP のコアメンバーである  Nikita Popov氏が活動の中心を LLVM の開発に移すことに伴い、今年(2021 年)の11月23日に設立されました。

ランサーズとPHP

10年続くプロダクトの技術変遷と3つの転機

先日の記事にも記載させていただいていますが、ランサーズは創業当初からPHPを使っており、継続的にバージョンアップを行っています。アップデートにより処理速度向上など大きな恩恵を得ています。

パフォーマンス以外にも新たな機能により堅牢で高速な開発に近づいています。PHPの発展のおかげでランサーズの成長があるといっても過言ではありません。今後も支援続けたいと考えています。

他のPHPを利用している企業の皆様も検討いただき、皆さんで今後PHPの発展を支えていければと思います!

ランサーズのエンジニア組織のこれまでとこれから。エンジニア組織における10人、30人、50人の壁。

terukura|2021年12月01日
エンジニア組織

ランサーズ Advent Calendar 2021 一日目の記事です。
(社内向け)今年は新しいメンバーもたくさん!最後まで完走頑張りましょう!

Lancers Engineer Blog をご覧のみなさんこんにちは。ランサーズVPoE / 開発部 部長の倉林 @terukuraです。

2008年12月に創業者2名で開始したサービス、2021年現在ではプロダクト開発メンバー(PdM、デザイナー、エンジニア)が50名を超える大きな組織になりました。(ビジネス職を含めると200名を超えました)

ちょうどいい機会なので、Advent Calendar 1日目は、これまでランサーズのエンジニア組織がどのように変化していったのか、振り返ってみようと思います。

私自身2019年の2月にジョインして、もうすぐ3年というところでジョイン前のことはわからない部分もあったので、今回は創業メンバーの秋好 聡さん @autumnlike と一緒にこれまでの組織、そしてこれからの組織について会話した内容を元に記事化しています。

ランサーズのエンジニア組織が歩んだ10年年表

ランサーズがスタートしたのは2008年。フリーランスという働き方もクラウドソーシングという言葉も認知されていない頃からサービスを展開していきました。2011年の東日本大震災がきっかけとなり、リモートワークが注目され、2012年にはユーザーが10万人を突破、翌年には20万人に増えました。

その後も成長を続け2019年に東京証券取引所 マザーズ市場に上場を果たし今日までにいたります。

サービスの発展と共にエンジニア組織も拡大

▲プロダクト開発メンバーの社員数推移と、出来事を合わせて見る

事業の拡大に比例してエンジニア組織も拡大していきました。2008年当時は、創業メンバー2名で新川崎の8畳1間の部屋からスタート。その後2012年まではフリーランスやアルバイトの方に協力いただいて少しずつサービスを広げていきます。この期間があってこその今かと思い、改めてこの期間の偉大さを感じています。

登録者が10万人を超えた2012年ごろから、市場ニーズが増え、本格的にサービス成長を見込めるようになったため、エンジニア採用を開始しました。事業が急拡大するフェーズでエンジニア採用に注力し始め、2014年ごろに10名ほどのチームに。それから事業の拡大と共にエンジニアの数も増えていって、新サービスをいくつか打ち出した2018年ごろには30名規模に、上場後の2020年頃から現在にかけて50名規模のチームになってきています。

社員が増えるにつれて組織体制も徐々に変化

新サービスの展開に伴い事業部を分割

2017年ごろからLancers Agentや、Lancers AssistantなどクラウドソーシングプラットフォームであるLancers.jp以外のサービスが立ち上がり、事業部も増えていきました。もちろん新サービスはスピード感を持って進めなければいけないため、リソースを投入していったのですが、既存のLancers.jpの開発の優先順位が下がってしまう問題が起きました。

企画やマーケティング担当が提案をしているのに開発が進まない。主力事業であるはずのLancers.jpの開発が優先できない状況はまずいという話になり、エンジニアの部署を開発部門と事業部門に分けることにしました。その結果、エンジニアサイドでもタスクが明確になり、開発がスムーズになりました。


▲2021年現在は、横断/共通部門と、事業部門に分かれている

エンジニア組織における10人の壁、30人の壁、50人の壁

組織拡大の時にはよく10人の壁30人の壁50人の壁と人数が増えていくにつれて壁にぶち当たることが多いと言われています。実際にランサーズにはどのような壁があったのか?色々と思い出しながらお話ししていければと思います。

スタートアップフェーズで壁を感じなかった10人規模の時期

組織規模を拡大する時に最初に訪れる10人の壁ですが、ランサーズでは10人の壁はありませんでした。これはちょうど2012年から2013年にかけて、オフィスを鎌倉から渋谷へと移転させ、Lancers.jpのサービスもリニューアルした頃のことです。急激に認知が上がったランサーズのサービスをいかに市場に浸透させていくかということに、社員全員が一丸となって取り組んでいたフェーズでもありました。

この頃ランサーズは、スタートアップのカオスなフェーズを自ら楽しんでやるようなメンバーが中心だったので、壁を感じる暇なく突き抜けた感じでした。

技術への意識が高いエンジニアが定着しなかった30人の壁

事業部を分け、さまざまなサービス開発が進んでいた2018年頃にエンジニア組織が30名規模になりました。同時に、入社する人も増えれば同じくらい退職する人も増えるエンジニアが定着しない問題が訪れました。30名の壁は明確にありました。

特に技術への関心が高いエンジニアはランサーズには定着しなかったという側面が大きかったと思っています。当時のランサーズには、技術を愚直に習得していくような尖ったエンジニアというよりは、どちらかというとビジョン共感が大きい人材を中心に採用していた面があったため、技術への関心よりはビジョンの実現を目指すという傾向の人が多かったのです。

その結果、技術関心の高いエンジニアが入社してもロールモデルになれる人がいない、技術の話ができる仲間がいない、と孤立してしまい、結果的に退職してしまうということが続いてしまいました。

さらに、この頃は事業部を分けて体制を変えたばかりという時期的な問題もありました。エンジニアの責務定義や目標設定、仕事の渡し方などが定まっていないといった組織的な問題も起こっていたのです。そのため、エンジニアは言われたものをただ作るだけという状態になってしまい、成長できるような環境を作れていませんでした。

この状況を変えてくれたのが現シェアフル株式会社副社長の横井です。2016年に横井が入社してCTOになってからは「技術でエンジニアとしてのビジョンを実現しよう」と社員に働きかけてくれました。この頃から「プロダクト開発をするための7つのポイント」を定義して組織で大切にしていることを共有し、Reactを使っていこうだとか、技術的なチャレンジにも積極的に取り組むようになっていきました。結果的にエンジニア組織全体の技術力を高められ、技術志向のエンジニアの成長曲線が描けるようになりました。

50人の壁に向かって

2019年の株式上場以降、更に採用を強化し、この2年間で20名弱が入社し、プロダクト開発組織も50名を超える組織へと成長しました。マネージメントの不足・オンライン/オフラインハイブリッド環境でのMission/Vision浸透など、50人の壁の存在をひしひしと感じ始めているところです。

優秀なエンジニア、ビジョンに共感してくれるメンバーの採用は進んでいるのですが、マネジメントスキルのある中間層はまだまだ課題がある状態かと思っています。現状、増えていく事業・サービスに対してプロダクトマネージャー・プロジェクトマネージャーが兼任して行っている状況で、パフォーマンスを発揮しきれていないことにむず痒さを感じることもあります。

新卒採用も増やし、育成を並行して進めているので確実に組織としてやれることは増えているものの、マネジメントスキルのあるエンジニアを増やしていくことが今後乗り越えなければいけない課題だと思っています。

今年度よりHRBP組織を立ち上げ、よりエンジニアに近い位置で採用や組織施策をまわしています。50人の壁を破り次のステップに行くことは会社を次のステップに進める大きなポイントになると考えています。

壁にぶち当たったことで気づいた、エンジニア組織の拡大時に大事にすべきこと

2008年からの13年間で、1名だったプロダクト開発組織が社員50名、フリーランスの方々を含めると100名規模の組織になりました。組織が拡大するにつれて訪れた課題を経験して、大事にしていくべきことなどを組織として考えるようになりました。

1つは人の成長にしっかりと向き合うこと。エンジニア1人1人に個性があり、目指したい姿も違います。ランサーズに関わるエンジニアの誰もが自己実現を目指せるような環境を、組織体制で作っていくことが重要だと感じました。

エンジニアと一言でいってもビジョン志向の人もいれば技術志向の人もいる。それぞれの想いに向き合っていくことが、より良い組織へと繋がっていくのだと思います。

また、ランサーズはフラット型の組織を目指していますが、まだまだトップダウンになっている部分もあり、マネージャー層を育てるためにはこの部分も見直す必要があると感じています。技術面の負債は少しずつ改善できているので、マネジメント面にメスを入れ、現状のボトルネックをなくしていけるよう動いていくことが今後の課題です。

組織は個の集まりということを前提にしていく

個人的な感覚にはなるのですが、テックリードやエンジニアの成長も含めて1個人の強み、個性があってこそ組織は強固になっていくのだと思います。いい意味でのダイバーシティをいかに活かしてそれぞれが持っているポテンシャルを発揮できるようにしていく。ここが組織体制を作るに当たって意識しなければいけないポイントだと思っています。

組織としてはまだまだ拡大していて、今後も採用活動を強化していきます。これまでの課題の反省も踏まえ、よりエンジニアが働きやすいと思ってもらえるような環境を目指してランサーズで働けてよかった!と思ってもらえるようなチームにしていきたいですね。

2021年ももうすぐ終わります、来年は更に組織を拡大しビジョン実現に向けて取り組んでいければと思っていますので2022年もよろしくお願いします!

明日はまみーさん @mamy1326 です! ぜひお楽しみに!

ランサーズ、エンジニア給与制度の改善について

terukura|2021年09月01日
エンジニア組織

こんにちは、ランサーズのVPoEの倉林です。

ランサーズでは、Lancers Open & Flat Recruitingの一環として2021年度からエンジニアの給与制度を変更しました。本記事では、変更前後の給与制度と、その背景にある課題について紹介します。

高騰する市場のエンジニア給与とランサーズ社内のギャップ

給与制度変更の背景にあったのは、市場のエンジニア給与とランサーズ社内のエンジニア給与のギャップでした。

近年、供給を遥かに上回る需要などを理由にエンジニアの市場価値は高まり、平均給与は高まり続けています。わかりやすいデータを参照すると、転職ドラフトの平均提示年収の推移を見ると2016年頃に比べて2021年は約50万円上昇しています。
(参考ページ:https://job-draft.jp/festivals)

市場全体の水準が高まる中で、ランサーズでは他社と比べて給与が低いケースがたびたび見られました。

 

ケース① 採用競合との比較

複数企業からの内定を受け取った候補者に対しての年収提案で、他社の提示年収よりも低い水準となり、入社に至らないケース。

ケース② 転職による年収増加

社内で経験を積んだメンバーが、従来の給与制度では正当に評価されず年収が上がらず、より給与が高い他社に転職するケース。


転職時に求めるものは、必ずしも給与の高さではないと考えています。
しかしながら上記の2つのケースでは、ランサーズでの仕事や会社のビジョン共感はありつつも、年収水準のギャップが理由でランサーズは選ばれませんでした。

ビジョンの魅力や働きがいに甘えることなく、年収でもきちんとメンバーに還元したい。
そしてそれが、優秀なメンバーを迎え入れ、活躍してもらい、強いエンジニア組織を作ることに繋がると考えています。

年収ギャップの原因は、全職種横並びの給与制度

市場と社内のギャップについて述べてきましたが、ランサーズという会社全体の給与が低いというわけではありません。エンジニア職種で給与ギャップが生まれた理由には、全職種横並びの給与テーブルがありました。

ランサーズは、等級ごとに下限上限の幅が定まっているスタンダードな給与制度を採用しています。
従来は、エンジニアにおいてもその等級が当てはめられていました。また、等級の昇格条件もビジネスサイドと同じ様に定められており、そこに大きな課題がありました。

エンジニア組織で評価するべきスペシャリストの存在

一般的にビジネスサイドで高く評価されるのは個人のアウトプットだけではなく事業、チーム全体のアウトプットを高めるマネジメント能力になるかと思います。
これは、ビジネスサイドにおいてはマネジメントによるチーム全体の成果向上が事業により大きなインパクトを与えることが理由です。

一方で、エンジニアの場合は事情が異なると考えています。
1つの技術的ブレークスルーは人数では測れない価値を持ち、事業を大きく前進させます。そしてそのようなブレークスルーを生み出すのはマネジメントによるものではなく、1人の優秀なエンジニアです。

エンジニアリングにおいては1人で10人、100人分の働きをすることも可能です。
そのためエンジニアはマネジメントだけでなく、スペシャリティという軸でも評価をすることが必要だと考えています。

エンジニアの活躍と事業インパクトの距離感

事業インパクトが大きい人・行動がより評価されるべきだということには誰しもが納得すると思います。しかし、その行動と事業インパクトの距離が遠くなり、因果関係が見えにくくなると正当な評価が得られないという問題も発生します。

新機能や新規事業は、それを生み出したこと自体ではなく、事業にどのようなプラスの影響をもたらしたかを重要視して評価されるべきです。
これは、エンジニアにとっては難しい評価軸でもあります。

例えば、新機能実装に必要な大きな技術的課題をエンジニアが解決したとします。
しかしその機能が事業へのインパクトを生み出せずに失敗に終わった場合、エンジニアの働きはどんなにレベルが高いものであっても評価されにくくなります。

ここで言いたいことは、エンジニアは事業インパクトに関係なく評価されるべきだ、ということではなく、事業インパクトをもたらすために必要な試行を下支えする役割を持ち、それ自体を評価する仕組みがなければ事業自体も停滞してしまうということです。

 

これらの考えから、ランサーズでは2021年度から下記の改善を行いました。

・エンジニアの給与テーブルを多職種と分け、市場水準に合わせて上限を上げる

・スペシャリストを評価する等級の新設

・等級基準をエンジニア独自のものに変更

改善の影響と今後の計画

上記の給与テーブルグラフを見て「等級内での上限金額は上がっているが、一部の優秀なエンジニアだけにしか影響がないのでは?」と思った方もいるかも知れません。

事実として、この給与テーブル変更に伴い、実際に給与の変更があったエンジニアメンバーは全員ではありません。

ここでお伝えしたいことが2つあります。
1つ目は、この取組みの目的はエンジニアの給与を適正化することで、全員の給与を上げることが目的ではないということです。そして2つ目は、上限の変更だけでは適正化は達成できない、今後も改善施策を続けていかなければいけないということです。

今後の計画

追加の施策として、2021年下期を目処に給与テーブルの下限を引き上げることを計画しています。

エンジニア独自の給与テーブルが設計され、いくつかの課題は解決に向かって進んでいます。しかし、高騰する市場のエンジニア給与の水準に合わせ、市場から見て正当な報酬を支払うためには、下限金額を引き上げていく必要があると判断しました。

また、エンジニアの評価制度については、今後も改善が必要だと考えています。
評価とは、どういう考えで仕事をしてほしいか、どういう人に入社してほしいかを示す経営に近い位置にある仕組みです。

エンジニア組織専属HRBPとして、経営メンバーとのコミュニケーションを通して、ランサーズのエンジニア組織がどうあるべきなのかを、評価を通して示していくことも重要と考えています。

社内で必要な「評価される側の改善」

エンジニアの給与テーブル変更の背景には、「エンジニアの事業インパクトが見えにくい」「エンジニアの貢献度を他部門が理解しにくい」という問題があります。
これらはエンジニア組織が自ら改善していくべきものです。

改善策としては下記を想定しています。

・エンジニア部門の業務内容を他部門に理解してもらう

・各施策におけるエンジニアの貢献を可視化する

これらの改善内容についても今後記事などで公開していく予定です。

ランサーズ、エンジニア採用のプロジェクトはじめます。

terukura|2021年09月01日
エンジニア組織

 

ンサーズのVPoEの倉林です。

このたび、ランサーズは、エンジニア採用とエンジニア組織の改善を目的としたLancers Open & Flat Recruitingというプロジェクトをスタートしました。

今回の記事では、プロジェクト実施の背景と内容、今後の計画について紹介します。
プロジェクト自体について知っていただくことはもちろんですが、ランサーズの課題へのアプローチが、記事を読んでいただくみなさんの助けや気付きに繋がれば幸いです。

良い面・悪い面をOpenに、社外とFlatに繋がるプロジェクト

本プロジェクトは、ランサーズのエンジニア組織に関する情報を外部に公開し(Open)、社外の方の知見を素直に取り入れて(Flat)、エンジニア採用、またエンジニア組織自体の改善に繋げることを目的にしています。

「穴の空いたバケツ」をそのままにしない、採用と組織改善の同時進行

採用では「穴の空いたバケツ」という表現がよく使われます。
どれだけ多くの優秀な人材を採用しても、魅力が無い組織は穴の空いたバケツのようなもので、せっかく入社した人材も離職していってしまいます。


良いエンジニアを採用して良い組織を作り上げるためには、外見を良くするのではなく、良いエンジニアが入社したい環境自体を整備する必要があります。
そのために、単なる採用のプロモーション活動ではなく、実際の改善施策自体を外部に公開することで、組織改善と採用広報を同時に進めようと考えています。

うまくいっていないことこそOpenにします 

Lancers Open & Flat Recruitingで大事にしているコンセプトは、「うまくいっていることだけにフォーカスしないこと」です。簡単にいえば、ランサーズ社内の良くない部分、失敗についても発信し、社内・社外の知見や協力を取り入れて改善に取り組んでいく過程もオープンにするということです。

世の中に発信される企業の情報、特に採用広報に関する情報は良い面のみが取り上げられ、入社後のギャップを生み出すことが多々あります。ランサーズという会社、そしてエンジニア組織にはいくつもの魅力があると考えていますが、一方でまだまだ改善しなければいけない点も多く存在します。

良い面だけでなく改善点もオープンにすることで、ランサーズのリアルな実態を知ってもらい入社後のギャップを無くす、そして課題を改善してより良くしていける組織だということを知ってもらうことがこのプロジェクトのもう一つの目的です。

社外の知見をFlatに取り入れます

ランサーズ社内の課題を社外に公開し、その解決策を様々な人々と協力しながら模索します。オープンタレントプラットフォームを展開するランサーズでは、すでに業務委託や兼業社員など様々な立場で関わるメンバーが多くいます。

そういったメンバーからの意見もFlatに取り入れていきます。
具体的な取り組みについては追って発信する予定です。

Lancers Open & Flat Recruitingの実施内容

Lancers Open & Flat Recruitingでは、オープンかつフラットであることをテーマに、下記のような施策を実施していきます。

 

① エンジニア採用・エンジニア組織の改善についての情報発信

エンジニア採用、組織の改善について、改善前後の実態をオープンに公開していきます。

第一弾として、本記事と同時に「ランサーズエンジニアの給与改善 Before/After」を公開しています。

 

② 社外の有識者とのイベント開催

ランサーズが抱える課題について、社外の有識者とディスカッションするイベント開催を予定しています。

イベントには、社外のどなたでも参加いただけます。

 

③ランサーズ社内のことがありのままわかる情報発信

ランサーズ社員や関係者のインタビュー記事や、ランサーズという会社、エンジニア組織、働くメンバーの実態がありのままわかるコンテンツを発信します。

おわりに

手前味噌ですが、ランサーズにはビジョンやプロダクト、組織とたくさんの魅力があると考えています。しかし、従来のように良い面だけを抽出した広告的な発信では、手触り感のある実態は感じられないとも思っています。
より手触り感を出すために、社内で議論を重ねて今回のプロジェクト実施に至りました。

実態や改善の内容はもちろん、こういったプロジェクトを主体的に実施しているエンジニア組織のカルチャーに魅力を感じていただける方に届けるために、Lancers Open & Flat Recruitingを進めていきます。

Lancers New Normal

terukura|2020年12月01日
イベント/登壇

ランサーズ Advent Calendar 2020  1日目の記事です。

はじめまして、ランサーズ開発部 部長/VP of Engineering  の @terukuraです。

今年もランサーズ Advent Calendar始めたいと思います!
Advent Calendarを通じて、少しでもランサーズのエンジニア・プロダクト開発組織の雰囲気や取り組みが伝わるとよいなと思っています。
(社内向け)今年はばたばたとしていて準備期間があまり設けられずすみません!最後まで完走頑張りましょう!

1日目は、コロナ禍でランサーズにおきた変容・オンラインシフトによって生み出された新しい機会・ニューノーマルの一部を紹介できればと思います。

 

新しいコミュニケーション

オフラインからオンライン前提の働き方になるなか、社員同士のエンゲージメントの重要性を感じていました。
ランサーズでは月に一度、全社の情報共有やフラットなコミュニケーションを図るため「決騎会」という全社集会を実施しています。聞く側も発表する側も非常に熱量のある場で、社員同士のエンゲージメントに非常に重要な場でした。

オンライン実施となり、初回は録画されたコンテンツをオンライン会議で流す形でしたが、やはりこれまでのインタラクティブなやり取りや、ノンバーバルなコミュニケーションがないため、熱量が全く伝わらない状況でした。

そこでエンジニアとして積極的に関わらせてもらい、毎月の集会で小さなチャレンジを繰り返しながらアップデートし、最近だと以下のような形で臨場感のある形となりました。社内外からも反響が多く、アップグレードしすぎとの声もでていました。

 

なんどか記事でも紹介させてもらっていて、クローズドなイベントの実施や、実際のノウハウ共有はパッケージとしても用意していますので興味のある方は声掛けください!

◾ランサーズのアップデートし続けるスゴすぎる全社集会
https://tips.lancers.jp/articles/2372/

◾グレードアップしすぎでしょ!社員騒然の全社集会
https://www.wantedly.com/companies/lancers/post_articles/262390

 

今日の記事では、上記ランサーズの配信技術の一部をチラ見せできればと思っています。

ライブ配信は沼なので機器をたくさん揃えたくなってしまいますし、クオリティも求めれば外部の配信会社にお願いする、スタジオを借りるなどもあるかと思っています。
専用のソフトウェアやビデオキャプチャなどがあると、もっと楽にできるものもあるかと思いますが、今回の構成はあくまで一例として、工夫とソフトウェアがあればなんとかなる!という例ですので、ターゲットや目的によって最適な、配信方法を検討いただく上での参考になれば幸いです。

大枠の構成は以下のような構成で、今回詳細は省きますが、ハイスペックなPCや専用のハードウェアというより余っているPCや機器で構成できるというのもポイントですし、OBS(OpenBroadcasterSoftware)というOSSツール中心の省エネ構成となっています。

今日はその中で工夫した点を2点紹介します。

1)NDIを駆使した配信

工夫その1。今回1台のPCで処理する場合、あるていどハイスペックなGPU処理が必要になってしまうため、複数台のPCにて役割を分けて配信を構成しています。
・zoomで登壇者を写すPC
・スライドを写すPC
・OBSでミックスするPC
・全員にzoomでライブ配信するPC(BGMや効果音もこのPC)

NDI(Network Device Interface)は、NewTek社が開発した映像・音声などの情報をネットワークを介して共有可能にするプロトコルです。かなり低遅延での転送が可能なためビデオキャプチャなどの専用のハードウェアがなくても、複数台で処理しての配信が可能となります。

NewTeckのサイトより、NDI Toolsがダウンロードできるので、ぜひためしてみてください!
配信元のPCでScan Convertorを立ち上げて、受信側のPCで Video Monitorを立ち上げることで、配信元のPCの画面がそのまま転送・共有されてきます。

OBSにはndi pluginというのがあり、NDIのソースをそのままキャプチャできますので、以下のようにNDI経由でzoomの画面をキャプチャして、配信画像に埋め込むことが可能となります。

 

2)zoomチャットを表示

工夫その2。zoomチャットを配信上に表示して、より聞いている側の参加している感をだしています。これどうやってるの?と多数の方から問い合わせのあったので、こちらも方法を共有できればと思います。難しいことはやっていないので拍子抜けかもですが、以下の用に工夫しています。

1)zoom設定で、chatの文字サイズを大きめのサイズにする

2)chatを別画面で開く

3)OBSのウィンドウキャプチャで、2)のウィンドを指定

4)カラーキーで背景を透過させて、画面に配置する。

なんと簡単!このパターンでtwitterのツイートや、時計の表示なども配信に盛り込むことが可能です。

まとめ

Advent Calendar 2020 初日、何故か配信技術の紹介になってしまいましたが、今後ライブ配信・オンラインコミュニケーション技術はIT社会に必須であり、ランサーズは新しい働き方、スマート経営をリードする会社として、この分野をリードしていくことは重要と考えています。

またエンジニアが積極的に関わる理由として、デバイス+ソフトウェア+ネットワークの駆使など、エンジニアリングスキルがだいぶ必要な領域となっている点、継続的な改善サイクルなどエンジニア的発想が活用できる領域という点で、今後もオンラインシフトによって生み出された新しい機会ととらえて、時間と場所を超えてコミュニケーションを作っていければと思っています。

というわけで2020年ももうすぐ終わりですね!2021年もよろしくお願いします!

明日は@mamy1326さんです!ぜひお楽しみに。

Lancers Tech Vision

terukura|2019年12月01日
エンジニア組織

ランサーズ Advent Calendar 2019 1日目の記事となります。

はじめまして、ランサーズ開発部 部長/VP of Engineering  の @terukuraです。

2019年ももうすぐ終わりですね。私個人としては今年の2月にジョインし新規事業の推進、採用やめようキャンペーン、プラットフォーム統合推進、エンジニア採用/R&Dチーム立ち上げ含むエンジニア組織への向き合いなど、ものすごく濃い時間を過ごすことができました。

今回Advent Calendar 2019 初日ということと、先日「Lancers Tech Vision」をSpeakerDeckに公開させていただいたので、その内容を紹介させていただければと思います。明日からはきっとテックな話になっていくと思います。年末最後までお付き合いいただき、少しでもランサーズの雰囲気や取り組みが伝われば幸いです。 みんなで更新完走しましょう!(社内向け)

 

事業紹介

元々アップしていたランサーズの会社紹介がちょっと固いということで、最近エンジニア向けの会社紹介を公開させていただきました。

ランサーズと言うとLancersのプラットフォームをイメージする方が多いかと思いますが、「働く」を中心に様々なことをやっています。

  • LancersPro:専任アドバイザーが要件に合わせて厳選フリーランス人材をオンラインでご紹介するサービス。
  • LancersAgent:常駐可能なエンジニアやデザイナーなどIT系フリーランスを、専任エージェントが要件に合わせてご紹介・仲介するサービス
  • LancersOutsourcing:フリーランスへの発注・進行管理・納品まで専任ディレクターに一括で委任できるサービス
  • LancersAssistant:専任アシスタントの作るチーム(秘書、営業、広報、制作など)に月額定額で委任できるサービス
  • LancersEnterprise:法人向けの社外人材一元管理システムの提供。選定からセキュリティ・発注管理までトータルサポート。

採用面接や、クライアント企業様へ事業紹介をさせていただく機会も多いのですが、「意外と色々事業展開してるんですね!」とよく言われます。そうなんです、、たくさんやっています。今後はこれらをフリーランスの方へも、クライアント企業の方へもわかりやすく、一つの体験として展開させていくというのが目下の目標と考えています。

またランサーズの独特な取り組みとして、以下のような支援サービスを展開しています。

  • Freelance Basics:フリーランスに会社機能を提供し、新しい働き方を支援
  • 新しい働き方Lab:フリーランス同士が繋がり、学び合うコミュニティを支援

「ランサーオブザイヤー」という表彰式でユーザーさんと交流したり、ユーザーさんに来社してもらってインタビューしたりして生の声を聞く機会を作っています。生の声を聞いて改良を重ね、エンドユーザーと一緒になってシステムを作る。ランサーズではエンドユーザーと直接会って生の声を聞けることを重要と考えており、その機会をとても大切にしています。

 

Lancers Tech Vision、及びVision実現に向けた取り組みについて

ランサーズはビジョンドリブンの会社です。メンバー各自がそれぞれの形でビジョンに共有し、それぞれの形でのビジョン実現に向けて自走しています。

CTOの横井が常々言っている「コードにビジョンをのせる」を改めてLancers Tech Visionとして定義し、「その技術を入れるとどういう未来が描けるか」「システムのあるべき姿」を実現するための流れを根付かせていければと考えています。

 

ランサーズに関わって、まず感じたことはとにかくユーザー/データが多様なこと。発注側/受注側、地域も全国、ランサーズで得ている収入/発注している金額も様々。とにかく多種多様で、それに加えて事業展開も広がっているため、サービスとして最適なユーザー体験に落とし込むのは難しいですが、みんなで本気で解決しビジョン実現したいと思っています。

 

組織の最適化に向けて今年度は元々エンジニアでローカルに定義されていたキャリアパスについても、ブラッシュアップを行い会社としてオフィシャルな形で「Lancers Career Ladder」として再定義を行いました。グレードや評価、キャリアパスなどは随時会社の状況やフェーズに合わせてアップデートしていくことが重要だと考えています。

技術を突き詰めたい方、もっとサービス/プロダクトに関わっていきたい方、チームマネジメントに関わりたい方など、それぞれがフラットに各自役割を認識し、自身で考えビジョン実現に向けて最速に動ける組織・体制にすることが目下のゴールです。

上期は自身を含め、ある程度兼務でも体制・チームとしての枠組みを用意し、個人ではなくチーム・体制で課題解決してく形を整えてきました。下期については採用強化も進めていますので兼務を解消し、より集中できる環境を作ることでよりビジョン実現に向けて最速化できればと考えています。

 


まとめ

長くなりましたが、いかがだったでしょうか!?ランサーズエンジニアの環境や雰囲気などが少しでも伝われば幸いです。技術力を高めたいエンジニアが弊社にはたくさんいますし、学びたいと思う方には最適かと思います。

来年もさらに、新しい働き方をテクノロジーを駆使して変化を起こして大きく成長していければと思っていますので、よろしくお願いいたします。

まだまだ道半ばですが、会社が次のステップに進むにあたって、改めてテックカンパニーとしてエンジニアドリブンの組織を目指しています。新しい技術を組み込みながら、新しいユーザー体験を作っていきます!

明日は@yKanazawaさんの「CakeFest2019で英語発表するために準備したこと」です!CakeFest2019での英語登壇はチャレンジングでかっこよかったです。ぜひお楽しみに!